PFCバランスを意識した理想の筋トレ・食事とは?食材の選び方も紹介

筋トレで理想のスタイルを目指すためには、PFCバランスのとれた栄養ある食事が大切といわれています。しかし、自分で筋トレに合った食事を用意するとなると、何をどのくらい食べたらよいのか、いつ食べればよいのか困ってしまうものです。

そこで今回は、筋肉をつけるためには欠かせない栄養素とPFCバランスのとれた食事について詳しくご紹介します。筋トレ中の食材の選び方、筋肥大に効果的な食べ方もまとめています。理想的な筋肉がつく食事を知りたい方はぜひご参考ください。

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目次

PFCバランスの取れた食事と筋トレの関係

筋肥大には、「身体に筋肉がつく食事」を摂ることが必要です。

まずは、PFCバランスのとれた食事が筋トレに必須となる理由についてお伝えしていきましょう。

筋トレ後の食事は筋肉に栄養を与える

筋トレ後の筋肉は、トレーニングによる刺激や疲労によって損傷が起きている状態です。人の身体は筋肉の損傷があったとき、より丈夫にするため回復させようとする働きが備わっています。

損傷を受けた筋肉自らが体内のたんぱく質(アミノ酸)を取り込み、筋繊維を太くしようとする働きです。これが筋肥大の絶好のチャンス!この時点で身体に十分な栄養がない場合、筋肉は太く大きくなれません。

そればかりか、自らの筋たんぱくを分解することで活動エネルギーに変換してしまうため、すでについていたはずの筋肉が減ってしまうことになるのです。だからこそ、筋トレをする人は何よりも真っ先に食事の重要性に目を向ける必要があります

もちろん、生まれ持った体質で筋肉がつきやすい、つきづらいといった個人差も無関係ではありません。しかし、PFCバランスのとれた栄養ある食事をすることが、すべての人に当てはまる「理想の身体に近づくための第一歩」です。

筋肉に必要な三大栄養素について

PFCバランスのとれた食事とは、健康維持に必要な三大栄養素の比率に叶った食事のことです。

たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の3種類を三大栄養素といいます。

筋肉をつけるには、この三大栄養素を筋肉がつきやすい比率で食事のつくり、摂取することが大事です。糖質(炭水化物)と脂質は日々の活動を支えるエネルギーを生み出し、たんぱく質が筋肉を筆頭に臓器や血管、皮膚をつくります。

そのため、三大栄養素のどれかが欠けてしまうと、筋肉の成長に影響を及ぼしてしまうわけです。

筋トレを頑張っているのに筋肉が思ったようにつかない場合は、PFCバランスのとれた食事が摂れているかどうかを見直すことで劇的に改善するケースが多々あります。

理想の筋トレのためのPFCバランスについて

筋トレをしているときに理想的なPFCバランスは、「P(たんぱく質):F(脂質):C(糖質)=3:2:5」がよいとされています。

ここでは、筋トレ中のPFCバランスの栄養素についてそれぞれの働きを解説していきます。

タンパク質について

髪の毛や肌、爪とともに筋肉の源になるのがたんぱく質(1gあたり4kcal)です。たんぱく質とは、20種類のアミノ酸からなる集合体でもあります。そして、20種類のアミノ酸のうち9種類が体内で必要量を合成できない必須アミノ酸です。

たんぱく質(アミノ酸)は、筋トレで損傷した筋肉を太く大きく、丈夫に修復する働きがあります。体内で必要量を合成できないことも含め、筋トレ中の人はたんぱく質を多めに摂取することが必要です。

たんぱく質を多く含む食材

・肉
・魚
・たまご

1日に必要なタンパク質の摂取量の目安は、筋トレの度合によって変わってきます。

・ライトな筋トレ 体重1kgあたり1.2~1.4g
・ハードな筋トレ    体重1kgあたり1.6~1.7g

例えば、筋トレの初心者で体重60kgの人のたんぱく質の摂取量の目安は以下の数値となります。

60kg×1.2~1.4g=72~84g

この摂取量を1日の上限として、PFCバランスを参考に1食あたりを調整していくことで筋トレに最適なメニューが作れます。

脂質について

脂質は身体に脂肪がついてしまう無駄なものと思われがちですが、ヒトが生きていくうえで欠かせないエネルギー源です。脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があり、さらに不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と体内で合成できない多価不飽和脂肪酸に分かれます。

脂質が不足すると、ホルモンバランスの乱れや細胞膜が形成されづらくなるなどの不具合が起きてしまいます。理想の筋肥大を成功させるためにも、適切な量の脂質を摂取することが大切です。

1日に必要な脂質の量は個人差があり、総摂取カロリーの20~30%が目安です。ただし、脂質は1gあたり9kcalと他の栄養素と比較すると高カロリー。わずかな量でも、よく考えてから摂取する必要があります。

・推定エネルギー必要量(kcal/日)

男性(kcal)女性(kcal)
18~29歳2,6502,000
30~49歳2,7002,050
50~64歳2,6001,950

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)(P84 身体活動レベル「ふつう」の場合)

例えば、30歳男性(身体活動レベルふつう)の1日に必要な脂質の量を総摂取カロリーの20%とした場合の計算式です。導き出された60gを1日の上限にして食事の回数で割り、PFCバランスに当てはめて1食の摂取量を計算します。ぜひ参考にしてみてください。

2,700kcal×0.2=540kcal÷9kcal=60g

糖質について

糖質(炭水化物/1gあたり4kcal)は、脳や身体を動かすために欠かせないエネルギー源です。

余分な糖質は中性脂肪となってしまうため敬遠する人も多くありますが、たんぱく質の分解を防ぐグリコーゲンとしても貯蔵されるため、筋トレには欠かせない栄養素となります。

つまり、大幅に糖質制限をしてしまうとグリコーゲンの不足で筋肉が自らを分解し、筋肉量の減少を引き起こす原因となるわけです。

1日に必要とする糖質の摂取量は、国際的に定められたアスリートの糖質摂取推奨量を参考にするのがおすすめです。

・アスリートにおける糖質摂取量

運動の強度運動の種類体重1kgあたりの摂取量
軽い低強度あるいはスキル主体の練習3~5g
中等度通常練習やトレーニング5~7g
高い自給的なトレーニングや中高強度の運動6~10g
非常に高い2部練習や中高強度の断続的な運動8~12g

引用:独立行政法人 農畜産業振興機構

例えば、体重60kgで中等度の運動を行う人のたんぱく質の摂取量の目安は以下の数値となります。

60kg×5~7g=300~420g

目的別でPFCバランスを考える

筋トレで理想的なPFCバランスは、「P:C:F=3:2:5」です。さらに筋トレの目的別でPFCバランスを考えると、より理想のスタイルを叶えやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。

バルクアップ

バルクアップとは、体重を増やすとともに筋発達させ、身体を大きくしていくことです。たくましい体になりたい、肉体改造したい方に人気です。筋肉と体重を大幅に増加させることから、たんぱく質と炭水化物の占める割合が大きくなります。

【ダイエットで理想的なPFCバランス】
P たんぱく質:体重1kgあたり2g
F 脂質 :総摂取カロリーの20%
C 炭水化物:残りのカロリー

ダイエット

健康的なダイエットをするための理想的なPFCバランスは「P:C:F=2:2:6」です。1日に必要な総摂取カロリーから10~20%ほどの数値を引き算してから、PFCバランス通りのメニューを作ります。

栄養の偏ったダイエットをすると、一時的に減量できてもリバウンドしてしまう危険性があるため、美しく痩せたい方に人気です。ちなみに、1か月で1kg痩せるには約9,000kcalのカットが必要。無理のない目標設定が大切です。

【ダイエットで理想的なPFCバランス】
P たんぱく質:20%
F 脂質:20%
C 炭水化物:60%

ケトジェニック

ケトジェニックダイエットとは、エネルギー産生を糖質ではなく、肝臓が産み出すケトン体主体で変換させる方法です。ヒトは糖質が不足すると、体脂肪を燃焼・分解させ、肝臓が生み出すケトン体で代謝させるシステムに切り替わるようになっています。

そのため、糖質が厳しく制限されるPFCバランスとなっています。減量の効果が早く表れることから、短期間で目標達成したいストイックな方に人気です。

【ダイエットで理想的なPFCバランス】
P タンパク質:30%
F 脂質:60%
C 炭水化物:10%

食材の選び方・食べ方

ここからは、筋肥大に効果的な食材の選び方や食べ方をご紹介していきます。これまでに導き出されたPFCバランスや栄養の摂取量をもとに、より具体的なメニュー作成の参考にしてみてください。

肉は脂質のない部位を選ぶ

筋トレで筋肉を増やしつつ体脂肪を減らすなら、脂質の少ない部位のお肉を選ぶとよいでしょう。鶏肉は皮なしにするとさらに脂質を減らせます。

・牛もも肉
・豚もも肉
・鶏むね肉
・鶏ささみ肉

脂質の少ないお肉は食感がパサつきがち。食べやすくするために砂糖や醤油などの調味料を使いすぎてしまいがちになることが注意点です。ショウガやハーブなどの低カロリーで香りもよい食材で味付けを工夫していきましょう。

魚は良質なタンパク質と脂質が摂れる

筋トレ食材といえば、真っ先に思い浮かぶのが肉という人は多いでしょう。しかし、たんぱく質とオメガ3などの良質な脂がたっぷりの魚も筋肥大にぴったりな食材です。

・鮭
・さば
・まぐろ
・たら

魚は淡泊な味でも食感が気にならない傾向にあるため、お肉のパサつきが苦手な方の筋トレメニューとしてもおすすめです。

空腹状態を作らないように食事を摂る

一般的な食事の回数は1日3回です。それに比べて、筋トレ中の食事は1日あたり「3~4時間おきの摂取を6回」が理想とされています。これは、ヒトの身体が筋肥大に必要なタンパク質を一度の食事で吸収できる量に限界があるためです。

また、食事から2~3時間が経過すると筋肉の分解が始まってしまいます。筋肉は合成より分解作用が強いため、筋トレ中は栄養を身体に細かく送り続けて、筋肉を成長させ続けることが重要になってくるというわけです。

また、筋トレ後の食事は2回に分けて摂取します。筋トレ直後は成長ホルモンの分泌が著しく、最も筋肉の合成が促進されるゴールデンタイム。筋トレ直後の30分以内にプロテイン、さらに90分後ぐらいを目安にPFCバランスのとれた食事の摂取が効果的です。

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まとめ

筋トレで筋肥大したい人向けに、PFCバランスと食事の関係、欠かせない栄養素や食材の選び方・食べ方を詳しくご紹介いたしました。筋肉づくりはトレーニングだけでなく、栄養ある食事がキーポイントとなるので、ぜひ頑張って取り組んでみましょう。

自分でPFCバランスに叶ったメニューづくりや調理は厳しいという方は、ぜひ「筋肉食堂DELI」の高たんぱく・低糖質・低カロリー弁当を召し上がってみてください。きっと、あなたの理想のカラダづくりのお役に立てるはずです。

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この記事を書いた人

中坂 優のアバター 中坂 優 トレーナー&ライター

効率よいトレーニングをするために、先輩であるマッチョ編集長と日々格闘している女子。トレーニング歴はそこまで長くないが、効率悪いことは嫌い。好きなトレーニングは「デッドリフト」。

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